こんにちは、カガクラムです。
今回は、「気体の状態方程式」に関する問題の解き方を解説していきます。
気体の状態方程式の基本
まず、これが最も大事な話ですが、実在気体では気体の状態方程式は成り立ちません。
気体の状態方程式が成り立つような仮想的な気体が、理想気体です!
「実在気体の状態方程式」(ファン・デア・ワールス方程式)
というのもあるのですが、大学の範囲になってくると思うので
スルーして大丈夫です。
大学入試の問題では、
理想気体の状態方程式を使ってOKです。
それではさっそく、気体の状態方程式を見ていきましょう。
圧力 P: pa(パスカル)
体積 V: L(リットル)
物質量 n: mol(モル)
気体定数 R: 8.31×10³Pa・L/(mol*K)
絶対温度 T: K(ケルビン)
少し補足しておくと、
体積というのは、気体が動ける領域、範囲です!
理想気体が2Lの容器に入っていれば2L、10Lの容器に入っていれば10Lということです。
また、気体定数は8.31×10³と書きしたが、
問題によって8.3×10³であることも多いです。
問題文をよく読み、その都度対応していきましょう。
T(絶対温度)というのは、普段私たちが使う「℃」の値に
+273したものです。
T(K)=〇℃ +273
です。
演習問題
問題① 0.1molのアルゴンの1.0×10⁶pa,300mL 条件下での温度を求めよ。 ※気体は理想気体として扱い、気体定数は8.3×10³Pa・L/(mol*K), 回答の有効数字は2桁とします。
問題②27℃で2.2gのCO₂を 5Lの容器に封入した。CO₂の圧力を求めよ。 ※CO₂の分子量は44、有効数字は2桁、 気体定数を8.31×10³Pa・L/(mol*K)とする。
演習問題の解答と解説
①の解答
300mL=0.3Lであり、
求めるアルゴンの温度をT〔K〕とおくと、
気体の状態方程式より、
1.0×10⁶〔Pa〕×0.3〔L〕= 0.1〔mol〕×8.3×10³×T〔K〕
T〔K〕= 361.44… ≒3.6×10²K となります。
ここで注意しておきたいのが、mL→Lへの単位変換です。
1000mL=1Lなので、300mL=0.3Lとなります。
計算ミスを防ぐためにも、PV=nRTを使う前に必ず単位の確認をしておきましょう。
②の解答
27℃=300K、CO₂の分子量は44なので、
その物質量は2.2/44molとなる。
求める圧力をP〔Pa〕とすると、
P〔Pa〕×5.0〔L〕=2.2/44〔mol〕×8.31×10³×300〔K〕
P=24930 ≒2.5×10⁴〔Pa〕
・CO₂の質量が分かれば、
その値を分子量で割ればモルが出てきます。
物質量(mol)×分子量、式量(今回は44g/mol) = 質量(g)
・PV=nRTでは、P、V、n、Tのうち3つが分かれば
残り一つを求められます。
・2.2/44として計算しましたが、
これは計算する回数をなるべく減らすための
テクニックです。
理論化学では面倒くさい計算が多いため、
等号(=)で結んでから、約分できるものは
約分するのがおススメです。
まとめ
今回は理想気体の状態方程式の基本事項の解説と、
演習問題を設けました。
気体の状態方程式の理解が少しでも深まれば幸いです。
化学で大学受験するには必要不可欠な範囲なので、
自分で問題演習をしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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