今回はこういった疑問を
解決していきます。
どうも、カガクラムです。
第一級アルコールの反応を
現役国立大学生の私が、
まとめていきたいと思います。
まず、アルコールは
第一級アルコール、第二級アルコール、第三級アルコール
の三種類に分けることができます。
図のように一連の炭素結合を鎖のように
見立てたとき、鎖の端っこに-OH基(ヒドロキシ基)が
くっついているのが第一級アルコールです。
さっそく、今回は第一級アルコールの性質や反応について
解説していきます。
水溶性
低級アルコール(炭素鎖が短いアルコール)では、
酸素原子が電子を引き付ける力の影響が強く、
分子内の極性が大きいため、
水に溶けることが出来ます。
ですので、メタノールやエタノールは水溶性を
示します。
水素結合と沸点の関係
アルコールは分子中に-OH基(ヒドロキシ基)をもち、
分子間で水素結合を作るため、
(O原子と他のアルコールの-OH基のH原子との水素結合)
炭素数が同じアルカンよりも高い沸点・融点を示します。
二価アルコール・三価アルコール
エタン分子のそれぞれの炭素に-OH基が一つずつついた
「エチレングリコール」は第一級アルコールですが、
同時に二価のアルコールでもあります。
要するに、
分子の中に-OH基が二個あれば二価、三つなら三価アルコールです。
また、二価、三価と増えれば
その分、分子内の極性も大きくなるので
一価のアルコールよりも沸点・融点も高くなります。
一級アルコールの酸化
アルコールの反応で最も大事なものの一つは、
「酸化」です。
そして第一級アルコールの酸化は二段階に分かれており、
以下のように変化します。
R-CH₂-OH → R-CHO → R-COOH (Rはアルキル基)
第一級アルコール→アルデヒド→カルボン酸
第一級アルコールを酸化すると、
-CH₂- のH原子一つと、-OH のH原子を失い
アルデヒドになります。
アルデヒドとその検出
アルデヒドとは、-CHO基 (CとOで C=O 二重結合)
を持つ炭素化合物です。
そしてこの炭素は、
先ほど-OH基がくっついていた炭素です。
アルデヒドは還元性をもち、銀鏡反応やフェーリング反応を
起こします。
これは受験問題では当たり前のように問われるので、
必ず覚えておきましょう。
〇銀鏡反応では、
硝酸銀水溶液+アンモニア水+アルデヒド+加熱🔥
により
Ag⁺が還元されてAgになります。
大事なのは、アルデヒドによって
Ag⁺→Agへと変化することです。
〇フェーリング反応では、
フェーリング液+アルデヒド+加熱🔥
により
Cu²⁺が還元されてCu₂O(酸化銅(Ⅰ))になります。
Cu₂Oは赤色沈殿であり、
反応の進行が目で確認できます。
大事なのは、アルデヒドによって
Cu²⁺→Cu₂Oへ還元され、赤色沈殿が生じる
ことです。(Cuの価数に注目)
問題によっては、Cu₂Oが何色か
問うものもあります。
色まで覚えてしまいましょう。
これらの反応は
「アルデヒドの検出」
のために頻繁に出題されます。
カルボン酸
アルデヒドをさらに酸化させると、
-CHO(アルデヒド基、(ホルミル基とも))にO原子がくっつき、
-COOHとなります。(C=OとC-OHをもつ)
分子間脱水と分子内脱水
アルコールの-OH基が上手く反応すると、
水がとれて別の化合物が生成することがあります。
これらの反応は水が取れるため、
「脱水反応」と呼ばれています。
第一級アルコールにおける脱水反応についてみていきましょう。
分子間脱水
第一級アルコール二分子が反応し、二つの-OH基から
H₂O+R-O-R(R:アルキル基) が生成するのが
分子間反応です。
第一級アルコールの分子間反応では、
水とエーテルが生成物となります。
例)エタノール(CH₃CH₂-OH)を濃硫酸に加え、
130℃で加熱すると、
濃硫酸の脱水作用で水とジエチルエーテルが
生成します。
C₂H₅-OH + HO-C₂H₅ → C₂H₅-O-C₂H₅ + H₂O
ちなみにこの反応のように、
二分子が脱水しながら結合することを
「縮合」といいます。
分子内脱水
エタノールを濃硫酸に加え、160℃~170℃で加熱すると、
濃硫酸の脱水作用で水とエチレンが
生成します。
CH₃CH₂-OH → CH₂=CH₂ + H₂O
分子間反応よりも
狭い範囲で反応を起こすため、
より高いエネルギーが必要となります。
そのため分子間反応のときよりも
より高温で反応させます。
ナトリウムとの反応
アルコールは単体ナトリウムと反応して、
ナトリウムアルコキシドと水素を
生成します。
2CH₃CH₂-OH + 2Na → 2CH₃CH₂-ONa + H₂
まとめ
今回は第一級アルコールの反応や
覚えてくべき点について解説しました。
特にアルコールの酸化は頻出ですので
しっかり覚えて使えるようにしましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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